『手話』を知っていますか?
その文字の通り、手で話す言葉です。
最近話題となるドラマやCM、子ども番組やダンスの振り付けでも、目にする機会が増えてきたなと感じています。
ドラマで見たよ!
手話で話しているところを見かけたよ。なんて言ってたのかな?
テレビや手話での会話をふと見かけたなど、手話との出会い方もいろいろありますが、そこからより深く知りたいと思ってくれた方もいるかもしれませんね。
私自身も現在手話を勉強中であり、学ぶたびにその奥深さや魅力にどんどん惹き込まれています。
今回は手話について知ってもらうために、そして私自身の勉強の意味も込めて書いていこうと思います。
少しでも興味を持ってくれると嬉しいです。
手話ってどんなもの?
手話は耳や口の不自由な人が言葉の代わりに手で表現して伝える方法のひとつで、目で見る言葉とも言われます。
手や指の動きだけでなく、表情、口の動き、動作など組み合わせることで喜怒哀楽や細かな想いや考えを伝えることができ、ろう者にとって意思疎通を図るための大切な手段として受け継がれてきました。
私たちが普段から使っている音声言語や文字言語とは少し違う文法や単語がある、独立した言語です。
日本手話
伝統的手話、ろう者的手話と呼ばれ、主にろう同士のコミュニケーションの手段として使われている独自の文法構造を持つ言語です。
デフファミリーやコーダ、幼少期よりろう学校にて就学したろう者の第一言語であり、この日本手話を主として使うろう者(母語話者)を、ネイティブサイナーと呼びます。
手だけでなく、眉や首、口、視線などを含めた連続的な動きによりかなり複雑な内容も伝達することができます。
眉や口など顔の細かな動きにも意味を持ちます。
それがまた難しい…!でも、とても魅力的です。
・デフファミリー/両親、子ども含む、家族全員がろう者
・コーダ/両親のみろう者、子どもが聴者
・ソーダ/ろう者から見る聴者の兄弟姉妹
・デフブラザーズ、デフシスターズ/兄弟姉妹がろう者
日本語対応手話
私たちが普段使う音声言語に合わせた手話。
普段話す言葉通りに表現することが出来るため、途中失聴者や健聴者はこちらを使用する方が大半です。
同じ意味の言葉を伝えるにも、日本手話と日本語対応手話では言葉並びや表現方法、表す手話の数がに違いがでてきます。
似て非なるもの、なんですね。
日本手話に憧れますが、表情と合わせて豊かに伝えることが難しく、つい日本語対応手話に頼ってしまいます。たくさんマネて慣れていくしかありません。
手話表現に違いはあるの?
各地に方言があるように手話にも地域、世代でも違いがあります。
例えば『名前』という手話では、
- 手のひらに反対手の親指を押し当てるしぐさ → 拇印を押すイメージ(関東圏)
- 人差し指と親指でCに似た形を作り胸に当てる → 名札のイメージ(関西圏)
と、それぞれの表現方法があります。
その他の単語についても違いがあり、実際ろう者同士でも互いに知らない表現が多いと聞きます。
ひとつを覚えたらいいというわけではなく、新しい言葉の誕生に合わせても日々アップデートされていきます。まさに生きた言語ですね。
手話は先人たちから受け継ぎ、そのコミュニティーの中で作られ、守られ、発展してきた言語です。
それぞれに違いがあり、何が正しいと評価するものではありません。
お互いを尊重し、受け取り、受け入れられながら、これからも大切に受け継がれてほしいですね。
私もその意識を忘れずに覚えていきたいです。
手話は世界共通?
日本語(日本手話)、英語(英語手話)、中国語(中国手話)というようにそれぞれの国で使われる手話があり、世界で現存する手話は約126種あるといわれています。
そして、日本のようにそれぞれの地域によってまた異なる手話表現があるようです。
そんな中で、国際交流の場で手話の共通語として使われるのが「国際手話」であり、各国の手話を基にして人工的に作られた言語です。
ろう者はみんな手話を使えるの?
ろう者や途中失聴者でも、失聴年齢や生まれ育った環境、手話に出会った(触れた)時期は様々です。
子どもの頃から当たり前に見聞きしているものと、中学、高校、大人になって学んだものでは差が生まれますよね?
私たちが普段感じている部分は、聴者、ろう者に関係なくあるものです。
知人の体験談
ろう者でありながら手話を学ぶ、得る機会がありませんでした。
高校で初めてろう学校に通い、手話を使うことが当たり前の環境に入りましたが、楽しく過ごしつつも手話ではなかなかついていけず、卒業後の同窓会でもうまく使いこなせないまま懐かしい会話も楽しめませんでした。
大人になって地域で行われる手話講座の存在を知って姉と参加し、一緒に練習している聴者からも「珍しいね」と言われながら一緒に頑張り、習得しました。
私も話を聞くまでは使えるものなんだろうと思っていたので、先入観はいけないなと反省しました。
手話を学ぶには?
手話を学ぶ、習得するには、やはり実践がいちばんです。
自然な流れやこまかな表現は、教科書や講座のみではどうしても難しい場面が出てきます。
対面でなければ知ることのできない、ろう者ならではの表現方法も多くあります。
実際に手話を使っている方との日常的なやりとりの中で覚えていくことをオススメとしますが、出会いや繋がりを作ることもなかなか難しいですよね。
では、直接のやりとりが難しい中でどういった方法があるのか、紹介していきます。
地域の手話講座
初心者向けであることが多いためスタートも同じなので気持ちとしても入りやすいと思います。
私の地域では1年間の無料講座(入門編、基礎編)がありました。
入門、基礎終了が絶対条件としてあり、その先では新たに約2年をかけて、手話通訳者養成講座を学ぶ機会が設けられています。
こちらは強制ではなく希望制ですが、受講前に説明会に参加することが条件となります。
お住まいの地域で行われているかどうかは各自治体で問い合わせてみてください。
手話サークル
加入、習得時期の違いから差は感じやすいかもしれません。
すでにグループができていることも考えられるので、まずは人見知りせず勢いを持って入れる方向けかなという印象です。
どんなことにでも言えますが、必要なのは初めの一歩。
飛び込んで慣れてしまえば、同じ志をもつ仲間と楽しく学ぶことができるでしょう。
サークルによってはイベント企画が多いところもあるようなので、そういった場での自然な会話の流れや生きた手話表現を学べるのではないかと思います。
注意点としては、聴者が中心の場所もあるようなので、手話を学ぶという意識を忘れずにいたいですね。
専門学校などの養成校
手話通訳士を目指す学科、項目として学べる学校などあるようです。
手話への関心がもっと高まれば今後も増える可能性がありますね。
言語を習得するって本当に難しいし、特に手話を中心として学べる所はまだまだ少ないと感じます。
私ももっと早いうちにしっかり学べる場所や情報を知りたかったなとよく思いました。
テレビ番組
Eテレ 毎週金曜 午後2時35分
Eテレ再放送 毎週金曜 午前11時30分
毎回テーマに沿った手話表現を2,3個ずつ、とても丁寧に分かりやすく解説してくれます。
単語から会話、場面設定と合わせて見ることが出来るのが嬉しいです。
この番組に出演中の那須 映里さんは、ドラマ「silent」で奈々の友人役として出演していましたよ。
那須映里さんは、手話エンターテイナーとしても活躍されていて、
その表現力には息をのむ迫力と美しさがあります。
本
手話に関する書籍は多数あります。
手話は動きが大切なのでイラストのみではなかなか難しいと思いますが、DVDやQRコードが付いているものもあり、合わせて確認できるのは分かりやすくていいですね。
オンライン講座
最近はまた再開されているところも増えてきたようですが、一時期はコロナの影響で手話サークルや講座の停止や中止になったという話を聞くことも多かったですね。
そんな中、増えてきたのがオンライン教室です。
手話でもいくつかオンラインがあるようですが、家の中にいながら時間に合わせて生きた手話を学べるのは嬉しいです。
手話を使う機会がない、直接の関わりがなく学びに繋げられないと悩んでいる人の味方になってくれると思います。
ひとつ注意点として伝えるなら、講師を選ぶ際には経歴、カリキュラム、相性も大切だと思います。
しっかりと見極めて、この人だという方と出会えるといいですね。
ただ手話を教えるのではなく、背景や意味、歴史も大切に伝えてほしいと思います。
動画
最近はInstagramやYouTubeでも、ろう者の方が直接投稿してくれているものを簡単に見られるようになってきました。
直接のやりとりではありませんが、ろうの世界や手話文法、単語についてなど、とても丁寧に解説してくれたり、実際の手話速度を体験できたりと学べる部分がとても多いです。
伝える力というより、読み取り力を鍛えることに向いているかなと思います。
読み取り力を身につけながら、少しずつでいいのでどんどんマネしましょう。
最初はスピードについていけなくても、繰り返し見ることで慣れていきます。
これまで気づけなかった細かな動きや表情の変化に気づけたときは、上達を感じて本当に嬉しいですよ。
自分自身のレベルに合わせて投稿者を探せるのもポイントだと思います。
まとめ
今回は、手話ってなに?世界共通?さまざまな場面で注目されている手話の学び方についてお話ししました。
ドラマやCM、子ども番組の歌でも手話を使い目にする機会が増えてきましたね。
実は手話って、子どもとの関りでも使うことができるんです。
手話は手だけでなく、表情や身振り手振り、実際の動きを取り入れたものの組み合わせなので、ベビーサインとして手話を用いることで意思疎通が図れたりしますよ。
私自身も今現在勉強中の身なので、まだまだ学ぶことが多くあります。
今回、学んだことを大切にしながら、これも誰かの役に立てるかもしれないと思い書きました。
手話は、本当にきれいで奥深い言語であり世界です。
これからも積極的に学びながら習得できるように頑張っていきたいと思います。
手話に興味を持ったなら、ぜひ一歩踏み入れてみてください。
きっと新たな世界が広がりますよ。
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