最近はドラマや子ども番組、歌の振り付けでも手話を目にする機会が増え、同時に認知度もあがってきているように感じます。
その流れから初めて手話を知ったり、興味を持ち始めた人もいるかもしれませんね。
そこで気になるのは、
・手話の基本的な学習法
・何から覚えていくのがいいのか
ではないでしょうか。
手話への認知度、気づきはそれぞれですが、
「手話」っておもしろいね
僕にもできるかな?
チャレンジしてみたい!
もし少しでもそういう気持ちを持ったのなら、ぜひ手話の世界に足を踏み入れ、触れてみて欲しいとおもいます。
そこで今回は、手話練習中の私が伝えたい「手話初心者でもできる!基本の練習法とあいさつを紹介」と題して、
・ 指文字
・ 自己紹介 (手話表現)
・ あいさつ (手話表現)
について解説していきたいと思います。
それでは、ひとつずつ紹介していきましょう。
指文字
お風呂学習ポスター やさしい手話と指文字 ((大 60×42cm))指文字とは、五十音や数字を指で表示する方法です。
日本手話では仮名文字を、国際英語ではアルファベットを一音ずつ形作り表していきます。
一音ずつ表すことができ、表現方法を聞きたいときに相手にも伝わりやすいですよね。
手話を使う相手は難聴者やろう者。
聴者同士に当たり前の曖昧な伝え方やふわっとした表現では伝わりません。
「この表現を知りたい」ということを明確に、はっきりと伝えることが大切です。
指文字のオススメな覚え方を紹介します。
しりとり
しりとりを指文字で表すだけ。
しりとり自体にも馴染みがあり、準備もいらないので取り入れやすいと思います。
とは言っても、馴染みのない指文字で悩み、疲れてしまって離れてしまう人も少なくありません。
それは本当にもったいない。
最初は指文字表を見ながらでもいいので、楽しみながらやってみましょう。
楽しく学ぶ、好きになる、これが上達の近道です。
慣れてきたら徐々に指文字表を手放していきましょう。
そこまできたらある程度の指文字表現はできるようになっていると思いますよ。
その小さな一歩もちゃんと喜んで。その喜びがまた次の一歩を踏み出す力になります♪
家族や友達と一緒に楽しみながら覚えていくのもいいですね。
ひとりでも練習はできますが、楽しさが足りなかったり、言葉に偏りがでてしまうこともあります。
お子さんがいる方はこれを遊びのひとつとして取り入れてみるのもオススメです。
子どもが興味を持つと、その吸収力に驚かされながら学びとしても楽しく続けられますよ。
- Q子どもに指文字は難しいのでは?
- A
娘(小1)の場合、2週間ほどである程度の指文字五十音は覚えられました。
お風呂学習ポスター やさしい手話と指文字 ((大 60×42cm))お風呂の時間などリラックスタイムに取り入れることで遊びのひとつとして楽しく参加できたようです。
あくまで指文字を覚えるためということを忘れずに、子どもはしりとりのみの参加で自分自身が指文字表現をしていくという方法もあります。
しりとりをオススメする理由には「覚える」の他にもうひとつ大切なことがあります。
【読み取り力の強化】
指文字を覚えた初心者が次にぶつかる壁が、相手側から表現された指文字の読み取りです。
これは覚える時に見ていた自分の手の甲側からの形と、相手側から表される逆向きの形で混乱がおきてしまうためです。
慣れるまでは向きの変換に苦労します。
私も、一緒に学ぶ仲間たちも、相手の動きをマネながら自分の手を見て確認する方法でしか理解できず、とても時間がかかってしまいました。
繰り返すうちに少しずつ慣れてくるので、回数を増やしていきましょう。
同じ形のはずなのに向きで全然違うように感じるのは本当に不思議ですよね。
- Q混乱しないようにするにはどうしたらいいの?
- A
『動画』を撮る。
ひとりでの練習や場所を選ばずに何度も見返すことも出来ます。
「自分を映すことに抵抗がある…」という場合は手元だけを映す方法から始めてみるのもいいですね。
(※ 現時点では表情でなく相手から表される指の形を覚えることが目的のため)
撮ること自体抵抗がある場合は、SNSに投稿されている動画を活用する方法もありますよ。
目に入る【単語】を表す
周りには名前のある『物』『建物』『自然』『人』で溢れています。
これを使わない手はありませんね。
テレビ、はさみ、いえ、おとな、そら…難しく考えずになんでもいいんです。
周りに溢れる『名前』『言葉』を最大限に活用していきましょう。
人の名前、物、建物、とにかく目についた言葉を瞬時に表現していくことで瞬発力やスムーズな表現に繋がります。
好きな歌詞に挑戦
歌の歌詞はどうでしょうか。
好きな歌手であれば、繰り返し聴いていることも多いと思うので浮かべやすいと思います。
一音ずつ指文字で表現してみましょう。
ランダムな言葉並びは練習にとても適しています。
最初はゆっくりでも1曲、2曲、3曲と進むごとに変化が見られるはずですよ。
最初は同じ曲を繰り返し練習するといいですね。
この方法は手話表現の際にもイメージ力を鍛える方法として役立ちます。
- Q五十音表のみで覚えてはいけないの?
- A
ゼロから始める場合、形や流れを覚える意味ではいいのですが、五十音表頼りになってしまうと「あいう…」と羅列でなければ思い出せないということが出てきます。
とっさに表現できる力【瞬発力】を身につけるために慣れてきたら五十音表は復習や参考適度の位置付けにしましょう。
- Q相手に指文字が伝わらないときは…?
- A
もちろん、指文字の読み取りが苦手な方もいます。
『筆談』『口話』『空書』『ジェスチャー』など伝え方にもいろいろな方法があります。
空書とは…空間に人さし指で伝えたい文字(ひらがなや漢字)を書きます。
(※ 今回は混乱をさけるために指文字に絞って伝えています)
自己紹介 (指文字+手話表現)
出会いの場では必須となる自己紹介。
指文字を覚えたら、少しの手話表現と合わせて自己紹介に挑戦してみましょう。
ひとつひとつを覚えるよりも会話と同じように流れを大切にすると覚えやすいですよ。
『初めまして』
・手話言語『初めて/会う』
『初めて』=水平に重ねた両手から上に置いた方の手の人差し指は伸ばし、他の指を閉じながら上に引き上げる。
『会う』=両手の人差し指を向かい合わせ、同時に近づける。
『初めて』の手話は、他に『最初に』という意味も持ちます。
人さし指を伸ばしたままティッシュを取り出すようなイメージを持つといいかなと思います。
『会う』の表現は、人同士が顔を向かい合わせる様子を表現しています。
『私の名前は〇〇と言います』
・手話言語 『私 / 名前 / 〇〇 / 言う』
『私』=人さし指で自分の胸、又は鼻辺りを指す。
『名前』=東日本(主に①)、西日本(主に②)に表現に違いがあります。
①胸の前で広げた手のひらの中心に反対の親指を押し当てる → 拇印を押すイメージ
②親指と人さし指を伸ばし、Cに似た形を作り反対の胸に当てる → 名札のイメージ
『〇〇』=名前を指文字で表現。
『言う』=人さし指を立てて口元から前に出す。言葉が出る様子。
名前は漢字での表現方法もありますが、余裕ができてからの挑戦で大丈夫です。
名前を伝え合うことでより相手との信頼関係や距離も縮まります。
これからの関係を築いていく上では大切なことですね。
『よろしくおねがいします』
・手話言語『良い/お願いします』
『良い』=握ったこぶしを鼻先に当て、少し前に出す。
『お願いします』=そのまま手を開いて同時に軽く礼をするように頭を下げる。
『良い』の手話は、会話の中で『いいね』という意味で使うこともできます。
【例】 プレゼント貰ったの?いいね!(良かったね!)
表情に笑顔をつけることで褒める気持ちと合わせて伝えます。
『お願いします』は、普段から自然にやっている動きではないかなと思います。
同じように日頃の動きが実は手話と同じだったということも多いんですよ。
あいさつ
あいさつも日常の中でよく交わされる会話のひとつですね。
『朝』『昼』『夜』の単語に『あいさつ』の動作を組み合わせることでそれぞれのあいさつとなります。
『会う』という手話を折り曲げると『あいさつ』という手話になります。
人同士が向かい合い、お辞儀をする様子を表しています。
『おはよう』
・手話言語 『朝 / あいさつ』
『朝』=手をグーの形でにぎり、こめかみの辺りから顎の位置まで下ろす。
『あいさつ』=向かい合わせた両手の人差し指を折り曲げる。
『朝』の手話は、他に『起床』の意味も持ちます。
握った手を枕に見立てて、枕を頭から外す様子を表しています。
『こんにちは』
・手話言語『昼/あいさつ』
『昼』=チョキの形を作り額の中央(眉間)に当てる。時計の長針、短針が12時で重なる様子。
『あいさつ』=向かい合わせた両手の人差し指を折り曲げる。
『昼』の形は、時計の正午を表しています。
音声言語同様にお昼を過ぎても明るい時間帯なら使えます。
『こんばんは』
・手話言語『夜/あいさつ』
『夜』=両手のひらを相手に向け目の前でクロスします。
『あいさつ』=向かい合わせた両手の人差し指を折り曲げる。
『夜』の手話は、他に『暗い』の意味も持ちます。
おまけ単語
あいさつと合わせて、伝えることの多い単語を紹介します。
『ありがとう』『ごめんなさい』『おつかれさま』『さよなら』
どれも日頃からよく口にする言葉ですね。
これにも普段から無意識で使っている動きがありますよ。
『ありがとう』
・手話言語『ありがとう』
=左手の甲を上に向け、右手の手刀で一度ポンと当てて軽い礼と合わせて上にあげます。
『ごめんなさい』
・手話言語『ごめんなさい』
=片手の親指と人さし指で眉間を軽くつまんだ後、手を広げ合わせて礼をする。
『おつかれさま』
・手話言語『おつかれさま』
=片手をグーの形で握り、もう片方の手首あたりを軽く2回叩く。
ねぎらいの意味があり、肩たたきのイメージです。
同じ動作でも、困ったような表情で表すと『大変』や『苦労』という別の意味になります。
『さよなら』
・手話言語『さよなら』
=手を広げて相手に向け、顔の傍で数回振ります。
日常のさよならと同じ動きですね。
顔の表情と合わせることで気持ちを合わせて伝えることができます。
まとめ
今回、は手話練習中の私が、練習始めで覚えたいオススメ3つ
・指文字
・自己紹介(手話表現)
・あいさつ(手話表現)
を紹介しました。
指文字は、しりとり、身の回りの名前、歌の歌詞を活用する方法を伝えましたね。
自己紹介、あいさつでは指文字と合わせてできる簡単な手話表現をお伝えしました。
おまけ単語では、あいさつ以外に日頃から使う言葉を選んでみました。
ドラマの人気とともに手話に対する注目度もあがっているようです。
2025年には東京デフリンピックの開催が決定しているので、手話への関心を高めたいという期待もあるのかもしれませんね。
私もまだまだ学びの途中ですが、手話の楽しさや奥深さ、きれいさをもっといろんな人に知って欲しいなと思います。
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